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リラックスを許可しよう

みなさん、リラックスはしていますか?

 

緊張はできるけど、リラックスは難しいと感じる方は多いかと思います。

 

 

今回はそんな方にお役に立てるようなお話が出来たらと思います。

 

危険な場所ではリラックスできない

 

私は高所恐怖症です。

 

ちょっと高いビルからの景色を見るだけで身体が震えてきますし、

ガラス張りのエレベーターも目をきゅっとつむってしまいます。

スカイツリーは登ろうだなんて考えるだけで足がすくみますし、

飛行機に乗ると冷や汗が出て不安になるので、なんとかして寝ようとします。

 

 

それと閉所恐怖症でもあります。

とにかく閉鎖された空間が苦手で、

レントゲンやMRIなどの検査中は心臓がバクバクいいますし、

新幹線や映画館でも「もう出れないんだ・・」と思うだけで怖くなるときがあります。

 

 

単に私が小心者であるとも言えますが、

それらは脳が危険を感じ、身体に備えさせようとする“人間の本能”であるとも言えます。

 

 

平坦な場所に描かれた線の上を歩け、と言われれば、

鼻唄交じりでスキップもできるかもしれませんが、

高層ビルの間に渡された鉄骨の上を歩いて渡れ、と言われたら、

どんなに大金を積まれても、足がすくんで動けなくなるはずです。

 

身体は常に状況に対応し、学習している

 

私達は普段平らな場所をまっすぐに歩いているようで、

意外と地面に少し傾斜があったり、沢山の小さな段差のあったりする場所の上を歩いています。

 

それでも、あまりそれらを気にすることはありません。

何故なら脳が、自分の気付かないところで、その状況に合わせて筋肉の使い方を調整しているからです。

 

そしてそれらを学習しています。

 

ここは頑張るところ。

ここは頑張らなくていいところ。

ここは気を付けた方がいいところ。

ここは前脛骨筋が頑張るところ。

ここは腹筋は使わなくていいところ…

などなど。

 

 

 そうすることで不要なエネルギーや思考を使わずに、勝手にレベルの高い運動を行うことが出来ます。

 

しかしその毎日の学習が、リラックスしたい時に少し邪魔になることもあります。

 

リラックスはしないとできなくなる

 

私達は状況によって身体の使い方をその都度変えています。

 

それは単に危険な場所や安全な場所というだけでなく、

環境・疲労度・心境・季節・天候・時間帯・誰といるか・平日か休日かなどなど…

“状況”というのは様々です。

 

 

そんな中で我々人間が「心からリラックスしていいぞ!」という状況は、

いったいどれくらいあるのでしょうか。

 

 

脳は日々学習をしていますが、ゆえに若干融通が利かない側面もあります。

 

本人の意識としては休みたくても無意識では、

 

「え?オフでいいの?明日の準備もあるし、こんな時っていつも気を抜かない方がいいよね?」

「休む時もいつもここの部分は緊張させてるし、今も抜かない方がいいよね?」

「今日は早く寝る?この時間はいつも動いてる訳だし、まだスイッチは切らない方がいいでしょ。」

 

のようなイメージで、いつもこの状況で行っていることを基準に、自動で身体は使われます。

 

 

からだは出来ないことは、させません。

出来ることは、させてくれます。

そして、やらないことは、出来なくなります。

 

 

 力を抜く時間を作る習慣がない人は、いざリラックスしたいと思う時にはできなくなってしまうのです。

 

リラックスは何もしないことではありません。

リラックスは“ゆるめる”という行動の1つです。

 

大丈夫だと伝える

 

では、緊張することが習慣になっている人はどうすればいいでしょうか。

 

 

それはリラックスを脳に許可すること。

脳に「リラックスしていい」ということを教え直せばいいのです。

 

 

たとえば、今この状態でもリラックス可能です。

 

まず「今必要な緊張以外は緩めてしまって構わない」と自分自身に許可をしましょう。

 

そして「今はリラックスしても大丈夫」と自分自身に伝えます。

 

頭の固い人は論理的に自分を説得してもいいです。

「逆に今緊張したい理由は?」

「ずっと緊張するのは非効率では?」

「今あごの力って必要?」

「今は誰もいないし仕事中だからと言って常に緊張しなくていいのでは?」

などリラックスしない理由を潰していきます。

 

 

そして、自分のどこが今緊張しているかを探します。

 

肩?

肘?

目の奥?

あご?

喉?

後頭部?

手首?

胸?

背中?

股関節?

腰?

足首?

指先?

 

 

自分の身体の中を巡回するように、緊張しているところを見つけては説得していきます。

 

 

呼吸をしながら心ゆくままに脱力しましょう。

地球の真ん中に引力のまま落としてしまいます。

筋肉は泥のように溶けていきます。

 

もしも脱力の感覚がわかりにくければ、

あえてその場所に5秒くらいおもいっきり力を入れます。

そしてパッとそれをやめた感覚が脱力の感覚です。

 

 

そうやってひとつずつ、リラックスを再学習させることで、

自然と身体にリラックスという選択肢が生まれ、

必要な時にそれを選ぶことが出来るようになります。

 

安定していなければリラックスはできない

 

先程もお伝えしたように、身体は状況によって自動で身体の使い方を調整しています。

 

リラックスができないということは、今激しく不安定な環境であると脳が判断しているから。

 

安定なしでリラックスはあり得ません。

 

ですが、自分の中に“揺るがぬ安定したもの”を作ることできれば、

いつ、どこでだってリラックスをすることが可能です。

 

 

高いところや、窮屈なところにいても、

忙しい時や、困難の最中でも、

 

自分自身の中に“迷わずリラックスを選べる確固とした心”を持つ。

それがあれば、きっといつでもリラックスができます。

 

 

どんな荒波が起きようと、海の奥深くは静かで落ち着いています。

 

いつでもそんな自分に戻っていい。

 

それをまず許可してあげましょう。

 

私達はいつだって、リラックスしていいんです。